WISH(字幕版)を見てきました

私は映画館でこれを見ることができる時代に生まれて、幸せだと思いました。

 

・ワンスアポンアタイム

ミッキーの「僕たちはショーを続けることにするよ」がもうね…!

短編時点で泣いてた。

アナの新声優は、ついにきてしまったなあと。

 

・ウィッシュ

100周年にふさわしい作品でした。

私は好き。

 

まず、上映時間105分の時点で期待していたし、期待通りでした。

個人の好みが分かれるところですが、私はヴィランや準主役の悲しい思い出…とか、最近は話を複雑にして上映時間がとんでもないことになっているので、すっきりまとめてくれていたのがとても良かったです。

 

物語の主題はラプンツェルからはじまった主題の集大成だったなあと思いました。

 

ラプンツェルやアナ雪は毒親とその子供の自立だったけど、ウィッシュはそれが他人との関係にも当てはまるよなんだろうな~と。そして、ズートピアで示された、誰だって被害者から誰かへの加害者の立場になりうるということ。

力のある人に自分の願いを預けて、真実を知らずに平和に生きて、不安や不信に思ったら安全な場所から力のある人へ石を投げる…これって、私たちにも十分当てはまることではないかと思います。

 

私は、アーシャとダリアの素晴らしい過去のエピソードとか無しに、アーシャがダリアならきっと応えてくれると信じていることも、KNOWING WHAT I KNOW NOWやラストでダリアが真っ先にアーシャを信じて立ち上がってくれたことも、これが「あなたを信じている」だよなあ~~~~~って感じでめちゃくちゃ感動していました。

 

そして、私がすごいなと感心したのは、序盤だと真実を知らないアーシャが加害者側にいるということ。明るい曲調で歓迎しているからわかりにくいけど、無意識に人の願いを奪うことに片棒を担いでいる。

真実を知って、案内をした人の願いが奪われ…そこで、アーシャは自分の罪を実感するという流れと、真実を知った今、立ち向かわないといけないという姿勢になることが、強いなあと思いました。

さらに、無関心でいることがまた、加害者になることをアマヤ王妃を通して描いていることがまたすごい。

 

なんかそういう感じで、ウィッシュは終始、余計なことは説明しないというシンプルさがとても良かったです。でも、きちんと意図が理解できるのも、好き。

後々、理解したと思った意図が違うかもしれないけど、そういう痛み(恥ずかしさ)も含めて、向き合っていくこと、今できる最良の一歩を歩んでいくことが大事なんだよね、アナ…!

オマージュやイースターエッグを探すことが大人向けで、子供の頃に見ていたら、成長するときにふと思い出す、良い作品だろうなと思いました。背景とか意図とか、最近説明しすぎだよね、ディズニーに限らず。それが良い作品もあるけど、大半は冗長だと感じる方かな、私はね。

 

最後、力を行使する王に対し、アーシャも民衆も、声を上げて対抗するだけという図が、今の世に対する、ディズニーなりの答えなのかな、とか。

もちろん、青臭い絵空事かもしれない。理想論かもしれない。でも、暴力に暴力で勝つのではなく、非暴力で、意思を主張することで平和な未来を掴み取ろうという…。

 

そして、私がヲタクではなく、ファンの熱量でディズニー好き~くらいの気持ちだからかもしれないけど、オマージュはいくつか気が付いたけど、SNSのヲタ垢さんたちが酷評するほど気にならなかったかなあ。

気がつかなかった+知らないかもしれないので、まだまだ未履修の作品がたくさんあるなーと思いました。

 

私は最近、なんというか、暗いニュースが続くと、自分の精神安定のためにも、その情報から離れて大丈夫みたいな意見を見かけると、本当にそれで良いのかなと思い始めたところだったので、ウィッシュはとても心に刺さりました。

こうやってディズニー映画を見ている今も、ウクライナは侵略されていて、ガザでは空爆があり市民が無差別に殺されている。

テレビやインターネットを通して、世界で起きていることを知っていて…それなのに、そういうことを何も考えずに、エンタメをただ楽しく消費したり、それだけで良いのかなって…それって、王なら何とかしてくれるって盲信していたロサス市民と何が違うんだろうって、考えました。

そして、徹底抗戦しているウクライナ、やられたらやり返すのイスラエルハマス、そういったことを考えてラストの場面を思い返すと、どんなに理想事だと罵られても、暴力に対して暴力で返すことで平和な未来を掴み取れないのではないか…とか。なんだか色々考えてしまい、中盤くらいからずっと涙が止まりませんでした。