本当に最高でした。サントラは速攻ポチった。
惜しいのはすみっコと何食べた?にシアターのパイを奪われちゃっててまだ公開して一週間とかなのに2回/日の上映しかないことでしょうか。
え~~~、頑張ってほしい…。もったいない。
ポップな広告とは裏腹に、重い題材もあるどっしりした物語。
この監督さんの作品のいいところですよね。世界観と設定がきちんと練られてて、疑問に思ってた部分がほとんど解消されます。一方でギチギチに詰め込むのではなく、ちゃんと想像の余地を残してくれてます。
よくありがちな子供対大人の構図ではあるのですが、完全に悪者の動きではなく、普通に現実にいる、普通の思考で動いてる大人ということがまたいいですよね…。
かつての上司が年下の才ある社員の部下になって雑用押し付けられて腐ってるところとか、会長もパンフでは懐が深いって書かれてるけどAI部門で頂点を獲るという経営者としての中長期的な判断の元ですし、あの処遇。たぶん頂点を獲れる見込みがなかったら処罰されてたはずです。
子供らしい発想でピンチを切り抜けるところも、逆にその経験の無さから隙を見せてしまうことも単なる正義として描かれてるのではなく、日常の延長線上にあるところが素晴らしい。
本当にありそうな世界がそこには存在していました。
シオンは感情を持ったAI。ですが、他の作品みたいにこの子は人間よ!じゃなくて最後まであくまでも人間とは違うAIであるという線引きを踏み越えなかったこと。ここが個人的に刺さった部分です。
表現が難しいんだけど…これはたぶん観賞してくれた人ならわかってくれるはず!笑
パンフのインタビューを読む感じではそういう意図で描いたわけではなさそうですけど、これが多様性を受け入れるだよなあって思いました。私とあなたは違うけど、違う部分を尊重するというか。
ミュージカルは全部素敵!でも一番は柔道×ジャズの部分。まずこの二つを組み合わせることが意外だったし、アップテンポでノリノリな感じなのに前のしっとりした曲より色っぽいとかいうなんか素敵すぎて頭が混乱してくる!
製作陣的にも一押しなのかツイッターとYouTubeで限定公開されてますね。
このミュージカルもどうしてミュージカルになるのかというところがきちんと設定組まれてるのも良き。しかも序盤はミュージカルはじまるとちゃんとクラスメートが驚いたり引いたりしてるのもいいですね。
どこからか突然鳴りだす音楽、どこからか突然現れる照明みたいなのも全部設定組まれてるし、それが物語のピースとして関わってくるところも構成がうまくて好きです。
いや、設定がないとやっちゃダメなわけではないのですが…例えばアナ雪2のクリストフソロのやつとか観客側の感情追いついてなくて笑っちゃいませんでしたか?私はそれまで歌パートの入りや演出がディズニーらしさを残しつつ自然だったのに、急に作り物感出してきてそこだけ一気に冷めちゃってました。
それからカズレーザーさんがゲスト?なのかな?で声を当ててるんですけど、全然気にならないのがすごかったです。うまい人ばかりだとモブでも普通にこのキャラ番宣用のコラボだなって一声でわかるくらい浮いちゃったりするんですけど…そこもまた良かったなあと思いました。
これは時間さえ合えば立体音響みたいなシアターでもう一度観賞しようと思ってます。
頑張ってほしいですね~。